娘2歳のころ、「にんじんたべるの、読む〜」と、この絵本を箱から引っ張り出してきていました。
40ページほどで、言葉で語るストーリーのボリュームがあり、彼女に読んで聴かせるのは、もう少し大きくなってからだろうと思っていました。
もちろん彼女も すべて理解して聴いていた訳ではないのでしょうが、なぜか「これ読む!これ読む!」と言って持ってきていました。
前の方のページをとばして読みたがったり、「にんじんたべるのは?」と探すところをみると、ラストの「にんじんをおあがり」…のシーンが、当時の彼女をとらえているようでした。
はじめのうちは、前の方のページをとばして自分でめくってしまっていたのが、しだいに、かなりゆっくり聴けるようになってきましたた。
そのうえ、実際には見たことのない「空中ブランコ」だとか、「登山家」なんて言葉が、普段なんでもない遊びのときに彼女の口から飛び出してくるようになったり、私が「登山家?」「空中ブランコ?」とたたみかけてやると嬉しいようで、きゃっきゃっと笑います。
概要を理解していなくても、なんだかよくわからないけど楽しい、楽しんでいるんだな… と感じました。
主人公はすべて「自分」。
この本でももちろんこうさぎを指さして自分の名を言い、「じゃあ これは?」と母うさぎを指すと「おかあさん」と答えます。
(どんな絵本のどんな主人公でもそう)
文字通り、物語の主人公になって空想をしながら絵本の世界を旅している娘。
そんな娘を通して、この本は、そんな基本的な絵本のちからというものをじっくり教えてくれました。
親子の幸せな絵本タイムを築いてくれる、温かな心になれる 一冊です!