おかあさんと仲良く暮らしていたこうさぎ。
ある時、
『ぼく にげちゃうよ』。
そして、小川の魚になり、山の上の岩になり、庭のクロッカスになって逃げます。
その度、お母さんは、漁師・登山家・庭師・・・となって追いかけます。
『おまえがにげたら、お母さんはおいかけますよ。
だって、おまえはとてもかわいいわたしのぼうやだもの』
なんて素敵な言葉でしょう。
大らかな心でこうさぎを包み込む母うさぎのぬくもり。
親子の笑ましいやり取りから伝わってきます。
外の世界に憧れながらも、いつもその背に母親の視線を感じていたい・・・。
そんな子どもの気持ちにぴったりのお話です。