タイトルは聞いたことがあったのに、ちゃんと読んだのは初めてです。
こんな素敵な子どもの物語になんでもっと早く出会わなかったのか、残念です。
後書きに訳者の渡辺さんが解説を書いているので読むとわかりますが、
この本の作者はメアリ・E・クラークとマージェリー・C・クィグリーという2人の若い図書館員さんだったそうです。
(おそらく原作が書かれたのは1890年〜1900年くらいの頃)
この2人が今から100年ほど前の当時に、図書館業務として『ストーリーテリング』を行っていて、その経験を基にこの物語が作られたとあります。
(アメリカという国が、この頃から図書館業務や公共図書館の在り方を重んじていたからこそ、若い図書館員がこういう物語を描けたんだと思います。こういうところは日本の偉い方たちも柔軟に学んで取り入れてほしいです。)
さて、この物語は2人の可愛い子どもたちが主人公です。
1人は子守り役のおばさんが“けしつぶクッキー”を焼くのが好きな「アンドルーシク」という男の子。
もう1人は弟がもらった少し大きめの赤いブーツが気に入って、まるで自分のもののように履いてしまっている「エルミンカ」という女の子。
2人は大体同じくらいの年頃ですね〜。きちんと何歳とは書いてませんが、行動的に5歳くらいかな?と思いながら読みました。
子どもならではのいたずらや失敗が、繰り返し起こります。
もしも、わたしが彼らの側にいる親や親戚のおばさんだったら、
「もう、ちゃんとわかってるの?同じことを何度も言わせないで!」と、言ってしまいそうですが、
ここに登場するおばさんやお母さんお父さんは、そんな嫌味な説教めいたことはせず、子どものしたことを上手に尊重しながら、笑ったり、「じゃ、次はこうしよう」と、提案してきてくれます。
……わたしも、こういう大人にならなきゃいけませんね。
1章節1章節がとても短く、1つのおはなしとしてもよくまとまっているので、4,5歳くらいの幼児から小学校低学年くらいのお子さんたちの寝物語に読んであげるのもいいかもしれません。
おススメの1冊です!