私が読んだのは、2008年7月にポプラ社から発行されたものです。1983年に福音館書店から刊行された「こどものとも」326号を全面改稿し、絵も新たに描きき下ろされています。(黒電話がFAX付の電話になっていたり、携帯電話になっていたりするそうです。)
お母さんがいっぱいドーナツを作ってくれたので、「けいこちゃん」はお友だちの「けいこちゃん」と一緒に食べようと電話をかけることにしました。
何だか二人けいこちゃんがいてややこしいですが、いずみ幼稚園のすみれ組に入った日に、先生が「けいこちゃん」と呼ぶと、一緒に「はあい」と返事をした子がいたのです。それがお友だちの「けいこちゃん」。二人はいつも一緒なんです。
けいこちゃんが電話をかけてみると、つながる相手は、くもの子のけいこちゃんだったり、くまの子のけいこちゃんだったり、いるかの子のけいこちゃんだったりと、お友だちのけいこちゃんになかなかつながりません。
この絵本を読んだ子どもたちの中には、くもやくまやいるかに電話がつながるかもしれないときっと電話をかける子が出てくるに違いありません。だって、誰につながるかドキドキ楽しみじゃないですか。
そんな楽しいことができるなら、弱虫だった子どもの頃の私でも、おそるおそるとダイヤルしていたことでしょう。
最後は、友だちのけいこちゃんも他のけいこちゃんも、みんな一緒にドーナツ・パーティです。くもやイルカが宙にういていて、とても楽しそうです。
お母さんが「けいこちゃん」と呼ぶと、全員が「はーい!」と返事が返ってくる楽しいパーティです。