10歳の娘と一緒に読んでみました。
この作者の絵本は、ストーリー構成が稚拙なため分かりづらく(失礼!)、絵も、絵画を学んだ人間から言わせてもらうと「うーん」というレベルのものが多い印象なのですが、この本はストーリー構成が分かりやすく、絵も比較的丁寧に描かれています。
描画の丁寧さは、このシリーズが一番かもしれないと思いました。
アンちゃんが盛大に食べこぼしをしているシーンは、幼稚園児という設定なのに、1歳児位の散らかし方に感じられ、「この絵要らない。」と娘が呟いておりましたが…
最後まで読んで、娘と顔を見合せると、「うん、普通の絵本じゃん!」と娘の口から出てきました。
私がこの方の他の絵本を全く評価していないのを知っているため、「普通の絵本」というのは娘としては最高の誉め言葉です。
正直、のぶみ氏には絵本ではなく、大人向けに特化した作品を期待しているのですが、このような絵本なら歓迎できるなと思いました。
…ただ、何十年も読み継がれるような本質的なものはあまり感じられません。ですので、子どもが楽しむ「おやつ」的な絵本としては、とても良いと思います。
ちなみに、好きなドレスを選ぶシーンでは、娘はローブのような丈の長いものを選んでいました。他にも目につくのは、オリエンタルなデザインのものばかりで、そのような多様性のあるデザインを用意してくださっているところに好感が持てました。