中学2年の優等生、果南(かなみ)が主人公。
一風変わった転校生透子(とうこ)が現れたことで、果南は自分というものに対峙することになります。
吹奏楽部でフルート担当、友達や先生とのデリケートな関係、そして、さりげなく異性も登場、
と、女子中学生の共感ポイント満載です。
段々と明らかになる透子の素性は、ちょっと想像を超えますが、
案外こんな子もいるかも、と思ってしまいました。
何より、果南の苦悩にリアリティがあって、痛々しくて、一気に読み進んでしまいました。
普通のいい子って、大人にとっては手のかからない子なんですが、
本当は気にかけてあげなきゃいけない存在なんだ、ということがよくわかります。
(以前わが子の中学校の校長先生がコラムに書いておられたので、
余計共感してしまいました。)
思春期の子どもを抱えた悩める親にとっても、いろいろ共感できると思います。
最後まで気になったのは、題名の「8分音符」。
「プレリュード」はラストで納得できるのですが、
「8分音符」はどの部分を指しているのでしょうか?