人間の捨てたゴミの行く先で、心がほっこりするドラマが繰り広げられていました。森で開かれているじゃんけん大会もいよいよ大詰め、オオカミのボスとキツネの大将による決勝戦です。景品は行司のカラスが集めたゴミの山。「欲しくない…」と思う読者とは裏腹に、「負けらんねぇ」と燃え上がる二頭。
オオカミとキツネ、息子は見た目でキツネを応援していました。僕はというと、“パーを出す”と宣言して相手を動揺させる作戦をとる(いるいるこういう人と思った)オオカミが、逆にキツネに作戦タイムを取られて動揺し、鼻をほじりながら愚考を廻らすも、考えがまとまらず素直に“パーを出す”ところが好きです。
キツネはというと、裏の裏を読んだのでしょうが“あいこ”になってしまい、おそらく後付けの言い訳でしょうが、予想を超える機知に富んだひと言で、めでたしめでたしでじゃんけん大会は幕を下ろしました。
起伏が大きなお話しではありませんが、何度か読み返してしまう作品です。
我が家のじゃんけんでも、しばらく“パーのあいこ”が続きそうです。