祖父母・親・子、三代で合計14匹のねずみの一家の、おつきみの様子を描いた絵本。
1988年刊行。殿堂入りしている作品には訳があると、わかる。
ページを開いて、風景を見ているだけで、幸せいっぱいの豊かな気持ちになる。
下の段に文字があるが、文字がなくても十分に楽しめる。
だから、文字が読めない人も、楽しめる。
段々と暮れていく時の色合いや、光の当たり具合などが、本当に素晴らしい。その場に読者もいるような気持になる。
葉っぱの一枚一枚、枝の1本1本にも個性があり、それを尊重してしっかり描いている。あらゆる命、あらゆる存在に対する敬意と愛情が感じられる。
お月見は地味な行事だと思っていたけど、こんなにも素敵で美しいとは知らなかった。
自然と親しむことや、季節の行事を大事にすることも教わった気がする。
こういう雰囲気は素敵だから、大人の人もページを開いて眺めて欲しい。本でお月見も、なかなかのもの。