絵/モーリス・センダック、文/ルース・クラウスというコンビによる1952年の作品。
センダックは、1964年の「かいじゅうたちのいるところ」のコールデコット賞を始めとして、他に7冊もオナー賞を含め受賞している稀代の絵本作家。
クラウスも、「なはをくんくん」「にんじんのたね」といった名作を残しています。
一回読んで何か違和感を感じました。
何が言いたいの?という感じで、再度表紙や解説を読んだところ、納得できました。
ハリエット・ジョンソン保育園の子供達と先生方、ロウェイトン小学校付属幼稚園の子供達とハリエット・S・シャーマン先生、特別に有難うと解説があるように、この絵本は、ルースさんが子どもたちの言葉から編纂した辞典なのです。
確かに原題の副題は、A first book of 0f first definitionsとありました。
そう考えると、子供の目線による定義ですから、
「かいだんは すわるとこ」
「つつみは なかを のぞくもの」
なんて発想になるのでしょう。
中には
「えんちょうせんせいは、
とげを
ぬいてくれるひと」
なんてものもあって、園長先生も形無しです。
センダックの単色の絵が、文章の雰囲気の合っているので、この辺りは流石としか言いようがありません。
クラッシックな作品ですが、この視点は変らず子供に受ける作品だと思います。