豊かではないけれども、仲むつまじい老夫婦に福が舞い降りた韓国のお話でした。
昼寝をしているおじいさんの鼻からかさこそ音が聞こえてきました。
お婆さんが覗くと、小さな白ねずみが、
おじいさんの息づかいと共に鼻の穴を出たり入ったり、
そのうち、おじいさんのほおを伝って、外へと出てき、…。
『魂(たま)ねずみ』というタイトルで、韓国で語られてきたお話だそうです。
お婆さんが追いかけ見た様子は、鼻穴に白ねずみが戻った後目覚めたおじいさんが見た夢とそっくり。
お婆さんはおじいさんを引っ張って…。
あのねずみは、おじいさんの魂だったのでしょうか。
お話も楽しいですが、絵も素敵です。
まず、おじいさんの鼻穴から出てきた白ねずみのページに、ビックリしながらも笑っちゃいました。
色使いも、前半の雨の日の暗い色調から、後半の黄色をベースとした明るい色調への変化が綺麗です。
家屋や庭の様子、身につけているもの、生活の道具など興味深く読みました。
それにしても、やはり、この白ねずみ可愛らしさが、お話を優しくしていると思いました。