佐藤さとるのファンタジーはかなり読んだと思っていた私ですが、この本は初めて読みました。かえるとお話ができて、自分の家の庭に、かえるのアパートがあったらと想像すると、とても楽しくなりました。息子はかえるのアパートの絵をじっと覗き込んでいました。
佐藤さとるの本を読んでいると、ねこにはねこの生活や世界があり、かえるにはかえるの世界があって、普段は人間社会と交わることがないのだけれど、ひょんなきっかけで、ねこやかえると話ができて、その世界をちょっとだけ覗くことができます。
いつもは目に見えない世界なのだけれど、空想力を働かせると、今までは見えなかった世界が広がって、自分の身の回りの現実世界も違ったものに見えてくる、それがファンタジーの魅力です。佐藤さとるの作品は、ファンタジーの楽しさを私たちに教えてくれる作家です。たくさんの人に読んでほしいなと思います。