何度も読んでいるうちに、子どもの成長を描いたすごく深い物語であることに気付きました。
最初のぽんたは「自動販売機」ごしに、ライオンやキツネの女の子たちと関わります。直接言葉を交わすのではなく、また交流の仕方もあくまでも「ぽんたが一方的に相手の欲しいものを出してあげる」というかたちで。
でも歯が痛いおサルがやってきて、ぽんたは心から「相手の痛いのをなんとかしてあげたい!」と願い、自動販売機から離れて薬草を探しに行きます。
そして最後は、「お友達が欲しいの」というたぬきの女の子の願いに対して、勇気を振り絞って自動販売機の前に飛び出し、本当の自分として相手と友達になるんですよね。
これって、ぽんたが自動販売機を通じて、少しづつ人と関わる喜びを体験し、相手に喜んでもらえることで自分に自信をつけて、最終的には素の自分として相手と友達になる勇気を持てるようになる物語なのですね。
可愛い絵本だけど、深い!
シャイなお子さんをお持ちの親御には特にお勧め!きっとぽんたに共感するのではないでしょうか。そして、大人が人間関係に疲れちゃった時、自分にちょっぴり自信をなくしてしまった時にも、もう一度笑顔で人と関わってみようという勇気を分けてくれる本だと思います。