2009年刊行。
うちゅうたまごが飛んでいく話。
話の筋も、うちゅうたまごが何であるかも、読者の想像に完全にお任せしているような、不思議な絵本。
「宇宙の卵」だと、宇宙の始まりのような気がしてくる。
「宇宙で生まれた卵」だと、宇宙人の卵のような気がしてくる。どっちでもいい気もする。
何が楽しいかって、この迫力がある大画面の中で炸裂する色たち。宇宙の真っ暗闇の中、強烈な光がばーっと煌めく様子がずんずん伝わってくる。色とりどりで、色の洪水を体験するような感じ。
文字も手書きで、不思議な雰囲気。きれいに整った文字に慣れている人が見たら、ちょっと脳内をこねくりまわされるような気がしちゃうかもしれない。
何がどうであるか、理屈はどうでもよくて、この本は開くたびに、宇宙のいろんな体験ができる気がするのが魅力。
命の根源に迫る気もするし、命の多様性、いろんな存在の尊さを感じてもいいし、単純にかわいいね〜で済ませてもいい。
なんだかわからないけど、すてきな本です。
文字を読まなくても楽しめます。