ポプラ社の、このポケット文庫シリーズは背表紙で、大まかなジャンルがすぐわかるようになっている所が好きです。
この本の場合、児童文学の中級でお薦めの対象年齢は小学校中学年ということになります。
さて、この話は富安さんが新聞に連載したものがそうです。
そのせいか、いつもの作者の作品と比べ、物語の世界がキューっつと、引き締まっていて、(良くも悪くも)小さく感じました。
ですので、どちらかというと、一緒に入っていた短編の「ねこなき山小学校」の方が、個人的には楽しかったです。
ねこなき山小学校のモットーは、
『遊びながら学び、学びながら遊ぼう』
主人公のこうへい君の家にある日へんな学校の誘いの手紙が入っていて…。意外とよくあるパターンではありますが、
校長の猫田又三右衛門先生のキャラクターがとても面白く、
手紙の来たこうへい君と一緒に、いつの間にか自分もねこなき山小学校に招かれたみたいな気分になっていました。
とても短いお話集だし、イラストも多いし、行数なども間隔が空いていて読みやすいので、読者がそれほど得意でない子でも、結構簡単に読めるんじゃないでしょうか?
小学校中学年くらいのお話会やブックトークなどで、紹介してみてもいいかと思いました。