アイヌ神話の絵本。
作者の萱野さんはご自身が母語としてアイヌ語と日本をの両方で育ったそうで、アイヌ文化の伝承者・研究家のお一人だそうです。
アイヌ建国時のヒーロー『オキクルミ(アイヌラック)』がアイヌの地に来るためにいろいろな試練を超えたり、その後のアイヌ建国のあれこれ描いた冒険物語です。
斎藤博之さんの骨太なイラストを見ると、オキクルミは男の中の男というイメージがとても強いです。
果敢で前向きで、それでいて人間くさいところがあるというか、神さまに分類されているけれど、感情の起伏が結構あって、人間臭いところも見受けられます。(半分人間の血が混じっているとも言われているせいでしょうか)
こんなにまでしてオキクルミはアイヌの地に来たかったんですね〜。
なかなか興味深い面白い物語ですが、建国の話はやや難しく感じる子もいると思うので、子どもたちに薦めるのなら小学校高学年以上がいいと思います。