浜島代志子さんの講演を聞く機会があり、
その場でこの絵本が販売されていたので迷わず購入しました。
カラフルなようで派手すぎない絵がステキです。
チムは「はらっぱにライオンがいるよ」って
お母さんに言うのですが、
お母さんは赤ちゃんのお世話と農家の仕事や家事に追われて、チムの話をまともに聞いてくれません。
普通の家庭でもよくある光景ですよね。
お母さんが、チムに応じて「お母さんもお話を作ってみるわね」と言うと、
さらにチムの空想が広がっていきます。
チムがこういう空想をするのは、
お母さんに「もっとぼくのことを見て!」っていうアピールなのでしょうね。
ライオンは、チムの寂しさが生み出した、優しい幻のようです。
チムにとって、ドラゴンは、もしかしたら相手をしてくれない、ちょっと近寄りがたい、お母さんの化身だったのかもしれません。
でも、お母さんは、ちゃんと絵本を読んでくれたり、おやすみなさいのキスをしてくれる・・・
お母さんは、忙しくても、本当はチムのことを見てくれているんですよね。
チムも一時寂しいと思ったけれど、最後にはきちんと満たされて、ライオンと一緒に眠ります。
特に下に兄弟がいると、上の子が不満を抱かないまま大きくなるなんてことはないといってもいいでしょう。
でも、その時々できちんとフォローをして満たしてあげられる、私もそんなお母さんでいたいと思います。