お母さん、原っぱにライオンがいるよ。でもお母さんは、そんなわけがないと繰り返すばかり。またおはなしを作ったのね、と。
あまり何度も言っているうちに、今度はお母さんが「おはなし」を作りました。マッチ箱からドラゴンが出てくるおはなしです。でもお母さんは、おはなしだから現実ではないと言うのです。
親と子のあいだに知らずに起こるズレをするどく問いかけ、共感をよぶ絵本。
明るく優しい絵がまず目を惹きました。赤ちゃんを抱える母親、おもちゃが散らかる部屋など、絵や装飾に親子共々惹かれたのです。
空想真っ只中のお年頃、4歳前の娘はお話にも興味津々。夜のトイレ、魔法使いが杖の先に明かりを灯して待っていてくれるやらプリキュアが光り輝いて応援してくれるやら、そんな頭のなかの不思議と生活する娘には、このチムは自分自身。そんな我が子を生温く見守っている私たち母親。
毎晩読んで読んでと持ってきます。私も楽しく読んでいます。
チムの下の赤ちゃんにも、ライオンが見えているのがおもしろい。トトロのよう。
もう私たちには見えないのでしょうかねぇ。