ルガルバンダは、5000年以上前のシュメールの国家、ウルクの3番目の王なのだそうです。そしてこの話は、粘土版に楔形文字で書かれた世界最古の物語なのだそうです。
内容は、ルガルバンダが、父エンメルカル王のおこした戦いに7人の兄たちとともに同行し、途中で倒れてしまった後の出来事です。ルガルバンダは山の中の洞窟に置き去りにされますが、神の助けを得て起き上がり、霊鳥アンズー鳥に走り続けることができる力を与えてもらい、父の軍隊に追いつきます。軍隊は苦戦しますが、ルガルバンダがその走る力でウルクに残る女神のもとに父の伝言を伝えに行くことができて軍隊は助かる、というものです。
歴史的な背景をある程度理解できる大人が読めば、昔の人はこんな世界観を持っていたのだな、と思えて興味深いですが、子供がこの絵本の内容を理解するのはかなり難しいように感じました。内容が独特なのはそれとして、話の流れが分かりやすくなるように、ほんの少し言葉を補うとか、冗長な部分は削るとか工夫があればまた違ったかもしれません。
絵がとても素敵なだけに残念に思いました。