トンケの作品は設定がシッカリしていて読者への説明がとてもうまいので、あっという間に物語の中に吸い込まれて行ってしまいます。
「王への手紙」タイトルが実にシンプルです。ちょっと残念なのは、たぶん日本人の小学生や中学生に国を守る「騎士」とか、王への忠誠心みたいなものはピンとこないだろうな〜というところです。
読んだら絶対面白い!それは自信を持ってお勧めできます。
でも、子どもたちに手にとってもらうまでの、周りの大人のアクションが大事なミッションになるような作品ではないでしょうか。
ミッション。そう、この物語は一人の若者が、託された手紙を秘密裏に隣の国の王のもとへ届けるという孤独で大変なミッションだったのです。
上巻の前半ではだれが敵か味方かわからず、主人公ティウリは変装したり、偽名を使ったり…。
読んでいるこちらも「こいつ敵じゃないの?」「一緒にいて大丈夫なの?」「ここに泊まらない方がいいよ。天気が悪くても別のことろに行こうよ」と、心の中で叫びながらティウリと一緒に冒険している気分を味わえました。
次は下巻。ティウリは無事、手紙を届けることが出来るのでしょうか。
余談ですが、西洋の騎士たちは甲冑を着て一日中行動しているのに、ほとんどお風呂に入ることが無さそうでした。
甲冑って、汗臭かったんじゃないかな〜。