「キリンさん」は私が初めて手にした詩集です。それもとてもかわいく、美しい絵本になっています。じっくり詩を読むも良し、ときには、絵だけを眺めてもいいような、とても心がやさしくなるような絵本です。忙しい毎日で普段は目を向けなくなってしまった、小さい虫や貝殻、動物を、自分が子供だった頃はこんな風に見ていたなあと、思い出させてくれるような絵本です。私のお気に入りは、「くまさん」という詩です。冬眠から目覚め、まだねむたい目をこすりながらで、川面に映った自分を見て、「ぼくはだれだっけ?」「そうだぼくはくまだった よかったな」と言っている姿が目に浮かぶようです。