「きつねの嫁入り」というと黒澤明監督の映像を思い出します。それだけ鮮烈だったということもあるのでしょうが。
黒井さんの絵のすばらしいことはもちろん、立松さんの「生きる」「命」ということに対する基本理念が伺えます。
狩りをやめ、農作業をし、山に向かってひとりでに手を合わせ頭を下げる弥平の姿に、自然に対する畏敬の念と、娘に対する気持ちをしんみり感じさせます。
すべての生き物はいっしょうけんめいに暮らしています
人間ばかりが特別ということはありません
自分ばかりでなく、全体が幸福にならねばなりません
という立松さんのメッセージが絵本を読み終わった後、ジーンときました。