昔、どこかで書評を読んで興味を持ち、すぐに探して購入しました。
子育てをする上で重要な視点に満ちた内容です。
子ども自身、そして大人たちにとっても、生きていく上で大切な姿勢を示してくれています。
扉にある「DIG YOURSELF」と書かれたカードを持つ男の絵に「ひとりをたのしめ」という訳がつけられています。
それを見た時、訳者の言葉選びのセンスに感嘆しました。
世界的に外出が制限され、今まで当たり前にできていたことができなくなった世の中で、一部の人間が他者に対して暴力的な心を剥き出しにして攻撃をしているのを目にすることが多くなりました。この文章を書いている現在の状況はこのような感じです。
残念ながら、ひとりでいる時間の豊かさ、内省のひとときが人間にとってどれほど大切で喜びに満ちた時であるかを知らない人がたくさんいるのだということを思い知らされています。
読みかたりの時に、この部分も必ず解説していましたが、DIG YOURSELFを「ひとりをたのしめ」と訳した訳者のそのメッセージを大切にしようとますます強く思うようになりました。
ところで、この絵本は6年生のクラスの最後の読みかたりの日などによく持っていく本です。
文章の素晴らしさももちろんですが、アメリカの音楽史に精通した画家の絵や、文章がそのまま歌える
形になっている点も魅力的です。
いつか読みかたりにギターを持ち込んで歌える人を連れていきたいと思っています。
難しいと感じる子どもたちもいるようですが、シンプルで力強いメッセージは、何らかの形で子どもたちの心に届いていることと思います。