サトワヌ島という、普段耳慣れない島の昔話です。
ミクロネシア諸島の中にあるのだとか。
作者の土方さんは、6年もここで過ごされて、作品もその影響も受けたものが多いとのことです。
おれまーいは、強くて乱暴な男の子。
些細なことから、村人たち乱暴をして恐れられて、殺してしまおうとされます。
木の下敷きにされても、魚取りの網に入れて海に沈めても、
平気な様子で戻ってくるおれまーい。
村人たちは余計に怖くなってしまいます。
ピーク島という離れ小島に置き去りにしようとします。
そこには、やにゅうという鬼がいて、さすがのおれまーいも生きては帰れないだろうと思われますが、
おれまーいは、やにゅうをやっつけて、ボートでサトワヌ島に戻ってきます。
今度こそ恐れ入った村人たちは、おれまーいを酋長にするというお話です。
昔話には、残酷とも思われる表現が多いですよね。
この絵本もその一つで、
さらに、大の大人たちが、よってたかって子どものおれまーいをいじめる(?)ところに、反感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
でも、子どもにとっては違和感ないようで、
信頼できる人に読み聞かせてもらえれば、すんなり絵本の世界に入り込んで
お話を楽しめるでしょう。
個人的には、おれまーいのお父さんとお母さんは、
息子が村人たちにこんなにひどい仕打ちをされているのに、
いったいどうしていたんだろう・・・とか思ってしまいました。
「よーぬ、やー」という名前まで出てくるのに!
最初だけで、あとは全然登場しないですもんね。