この絵本は、本の隅々にまで物語が隠れているので、何度も見て楽しめます。
物語は、ヨゼフが赤ちゃんの時に、おじいちゃんがブランケットを縫ってくれて、それが成長とともに、小さくなり、ボロボロになる度に、おじいちゃんのところへ持ち込まれ、ジャケットになり、ベストになり、ネクタイになり、ハンカチになり、最後にはボタンになりますが、ボタンが取れた時に、とうとう落としてなくなってしまいます。
なくなったものは、さすがのおじいちゃんでもどうすることもできません。
すると今度は・・・、ヨゼフが、ぼくとおじいちゃんのこの物語を書くのです。これで、永遠に残るのですね。
お気に入りの布が、どんどん小さくなるので、最後は一体どうなるものかと心配になりましたが、とっても素敵な終わり方で気に入りました。
物語とは、別に、おじいさんの家の床下に住む、ねずみの物語、また、二階の住人の物語も絵から読み取ることができるという、心憎い作りになっています。
リズムのある文章といい、隅まで見逃せない温かみのある絵といい、すごく楽しめる絵本です。とっても得した気分になること間違いなしです。