せなけいこ・おばけばなしシリーズの中でも、お気に入りのお話。
天狗には二種類あるそうで、このお話の主役は、カラス天狗です。このカラス天狗、私は初めて知りましたが、なんと卵から生まれるのです。
その生まれるところを見ていた海辺の犬と、森のサルと、山のカラスが、カラス天狗がこんな所に居るのはおかしいからと、彼の居るべき所を探して右往左往します。
はじめに、
「おいら てんぐさ。」
と、言ったので、天草だと思い海へ。次に、
「てんぐさじゃない。てんぐだけだよ。」
と言うので、テング茸だと思い森へ、連れて行くのですが、言葉のとり方違いの勘違いだとわかります。この辺り、よくできていて笑えます。
やっと、ただの天狗だということがわかり、無事山で親に会うことができ、めでたしめでたし。
しかし、これだけで終わらず、この後の、落ちも笑えます。
最後まで、言葉遊びに手を抜いていないところが、素晴らしい。親子で楽しめるお化け絵本です。