「王様の耳はロバの耳」のお話は知っていたけれど,王子様なのは初めて読みました.
王子は,西のおばあさまが口をすべらせて「ロバの耳にそだつだろう」と言ってしまったためにロバの耳になってしまいます.こういう不思議な力を持ってるおばあさまなのに,こんなおっちょこちょいなのかと思ったら笑えました.西のおばあさまのお城からの帰り道に東と北のおばあさまにさんざんののしられたというのも場面が想像できて,面白かったです.
王子がお見合いで娘と会うと,ロバの耳のために笑われたり泣かれたり,あきれられたりで,その都度傷ついてしまう王子がかわいそうでした.けれど,覚悟を決めて自らの耳を隠すことをやめた王子は,素敵なむすめと出会い結婚し,幸せになることができました.
誰にでも自分のここが嫌だというところがあると思います.努力して直すことができるものもあれば,そうはいかないものもあります.王子も,まず自分が自分のありのままを認めることができたから,幸せになる第一歩が踏めたんだと思います.
人の話がきちんと聞けるロバの耳,素敵な耳です.ゆくゆくはすばらしい王様となってくれるはずですね.