昔、私が小さいころ、子供の手にぴったりの大きさで
世界のお話60冊、日本の昔話80冊それぞれ大きな箱に入った
絵本のセットを持っていました。
大切に毎日1冊1冊選んでは読んで、選んでは読んで、絵本の世界に浸っていました。
その中で、ひときわ記憶に残っているのが美しい「ラプンツェル」のこと。
恐ろしい魔女が王子様にした恐ろしい出来事のせいかもしれません。
あれから何十年もしてもう一度出会った「ラプンツェル」
内田 也哉子さんによって語られる美しい世界観に
シンプルな色味で描かれた水口 理恵子さんの絵が溶け込み、
美しくも、切なく、そして、
やっと幸せになれたラプンツェルへの安堵の気持ち
かつて感じた「怖さ」とはちがう最後のこの温かみのあるエンディングに
なんだか私のあのラプンツェルの物語への恐怖がそっと消えていき
やっと私の中でこのお話に光がさした気がしました
今は絵本のスリム化が進み、1冊の中にいろんなお話が入っているボリュームのある絵本(あまり絵はありませんが)が増えている所
こうやってちゃんと1冊1冊本にして手に取って
しかも、一作品ずつ素敵な作家さんによって語られ、素晴らしい絵描きさんによって描かれ
自分で手にとって選べる、おはなしのたからばこは、
夢のたからばこだと思います。
未だに、今日はどれを読もうか、本を前に選び、読んでいる時の景色を思い出すことができるのは
きっと、私にとってとても夢のある時間だったからだと思います。
娘にも、たくさんの絵本との出会いを経て
将来、絵本との幸せな時を懐かしく思い出す日が来てくれたら良いなと思います。