2010年読書感想文コンクール高学年の部課題図書。
バングラデシュの10歳の女の子ナイマが主人公。
貧しいこの地域では、10歳になれば学校を退学し、家の手伝いをしなければならないのです。
もちろん、同級生の男の子サリームもそうなのですが、
男の子は父親と同様に働くことができ、ナイマは男女不平等を嘆きます。
サリームは、リキシャという人力車の自転車版のような商売をしているのですが、
その言葉から察するに、日本の人力車が原型のようで、何かしらの縁を感じますね。
ナイマは、女性特有の特技である画法アルポナが得意なのですが、
家計の足しにはならないことに苛立ちを感じているのです。
日本の子どもたちにとっては、カルチャーショックの境遇ですね。
それだけに、ナイマの力強い行動力にはあこがれのような共感があるような気がします。
ナイマは失敗もしつつ、自分で考え、行動し、ついには自分の特技を生かした
チャンスをつかみます。
「あなたが女の子でよかった。」と言われた、
ナイマの自己実現の喜びがとても共感できます。
やはり女の子と感動を分かち合いたいと思う作品ですが、
いえいえ、将来女の子とパートナーを組む男の子にも、
このナイマの感動を知ってほしいですね。
サリームのさりげない気配りも見習ってほしいです。