1900年頃。
アメリカの大平原に鉄道が敷設され、駅ができて、その周りに人が集まり、町が生まれました。鉄道はどんどん西に延び、町も人も、どんどん増えてきました。
そんな町の一年が、細かな銅版画で綴られています。版画には、活気溢れる新しい町に住む人びとの、楽しさや辛さや嬉しさや…ささやかな日常のシーンがふんだんに描きこまれていて、見ていると時間が経つのを忘れてしまいます。
訳者が扉で書いたように、アメリカの西部開拓の歴史は明るい一面ばかりではありません。でも、今、この時を一生懸命に暮らす人びとの生活の悲喜こもごもは、心に沁みました。
絵の中には、小さな物語がたくさん隠されていて、それを探すのも楽しいです。巻末にヒントもあります。
何度も繰り返し眺めたい1冊です。