魔法のおなべのお話は今までにも目にしましたが、魔法使いと弟子のシチュエーションだったり、結末はお仕置きだったり、説教的な本ばかりだったので、この本の展開には新鮮味を感じました。
母親思いの娘と、おちゃめなお母さん。
子どもが持ち帰った魔法のお鍋で自ら失敗をやらかします。
町中にあふれたおかゆ。
『まほうつかいのノナばあさん』では、町の人が、町中にスパゲティをあふれ出させたことに対して、死刑だなどと怒るのを、スパゲティを一人で食べつくすことを罰として与えることにしました。
この『おいしいおかゆ』では、心温かい町の人たちは一生懸命食べ続けるのです。
富安さんの柔らかい語り口と、尾崎さんの素敵な版画で、とても気持ちの良い作品になっています。
それにしても、魔法のおなべ、食べ物がらみのお話は似ていてもいろいろなバリエーションがあって、発見する毎に楽しく絵本探しができます。