児童文学作家10人が一人1話ずつ書いた短編・怪談集。
2010年刊行。
いろんなタイプの怪談が楽しめる。コメディのようだったり、ゾッとする後味の悪いものだったり、有名な題材を下敷きにした話だったり。
今回は、感動的な話が多かったような気がした。
特に表題になっている「3分の1の魔法」は、主人公が立ち直っていく様子や、他の人を助けていく様子などが生き生きと語られる。読後に爽快感と温かい気持ち、生きていく勇気ももらえるような素敵な話だった。
逆に人間のずるさや醜さが生々しく感じられた作品もあった。よくわからない展開・結末で、謎のまま終わってしまい、続きはどうなったか気になる作品もあった。
登場人物も場面も、身近なものだったので、自分の身の回りにそういう出来事がありそうな気がしてしまう、というのが、このシリーズで一番怖いところだと思う。