落語家の五代目古今亭志ん生の十八番の演目、『火焰太鼓』です。
最初に、昔の江戸の町では火事が多かったこと、
その時に半鐘が打ち鳴らされたことなどが語られますが、
そのエピソードが実は大事なんですね。
道具屋の主人の甚兵衛さんが、古い太鼓を仕入れてきます。
売れそうもないとかみさんから叱られるも、ひょんなことでお侍がお買い上げ、となるのです。
商売をめぐる駆け引きが面白いです。
大金を目の前にしたら、人間ってこうなりますよね。
もちろん、そんなうまい話が何度もある訳ないことを、
ラストの展開がピリリとオチを効かせます。
このところは、ぜひあとがきで語源まで知ると、その奥深さがわかります。
面白さのなかにも知性が感じられるのが、落語の醍醐味ですね。
子どもたちには昔の風俗や言葉使いが少し難しいでしょうが、
落語の舞台を見るような表情豊かな登場人物の絵を見ていると、
不思議にその世界を体感できそうです。
道具屋の小道具類、川端さんの遊び心が溢れていて、突っ込みたくなりました。