マーシャ・ブラウンは、1918年アメリカニューヨーク州ロチェスター生まれ。
1954年に「シンデレラ」、1962年「むかしねずみが」、1983年「影ぼっこ」と3度のコールデコット賞を受賞。
また、コールデコット賞オナー賞も4度受賞しているアメリカを代表する絵本作家。
スープと言えば、「しあわせの石のスープ」や「オオカミと石のスープ」を読みましたが、この作品は1947年作の古典的作品です。
実は、石のスープというのは、ポルトガルに伝わる民話だそう。
似た民話はヨーロッパ各地にあり、北ヨーロッパでは石の代わりに釘、東ヨーロッパでは斧が使われているようです。
物語は、3人の兵士が、ある村にやってくるシーンから始まります。
3人は、
「こんばんこそ おいしい めしが くいたいなぁ」
「それから ベッドで ぐっすり ねむりたい」
と口にするのですが、それを聞いていた村の男が先回りして、村中の人達に伝えます。
村中の人達は、やつらに恵んでやるものはないと、食料をあちこちに隠してしまうのです。
断られた3人の兵士は、石のスープを作ると言い出します。
言葉巧みに食材を村人から拠出させることで、石のスープは最高のスープになっていきます。
最後は、皆で楽しく晩餐会を催すのです。
冷静に考えると、3人はペテン師そのもの。
騙される村人を見て、少しは気持ちは晴れるのの、ちょっと納得できない部分もあるのも事実。
楽しく読める作品ではありますが、少しは教訓めいた側面もあって良いのではないかと思いました。
小学生低学年あたりのお子さんが、自分で楽しみながら読む類の作品としてオススメします。