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当世落語風絵本 孝行手首」 ととくろさんの声

当世落語風絵本 孝行手首 作・絵:大島 妙子
出版社:理論社 理論社の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2010年04月
ISBN:9784652040911
評価スコア 4.56
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みんなの声 総数 47
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  • 伝われ、この想い

    • ととくろさん
    • 30代
    • ママ
    • 千葉県
    • 女の子6歳、女の子2歳

    当世落語「風」絵本、大島妙子さんによる作品になりますが、
    実際に落語でもありそうなお話です。
    噺家さんになったつもりで、感情豊かに読んで楽しめる絵本です。

    死んだ子どもの手首だけが戻ってくるという不思議なストーリー。
    夫婦の会話だけで進む場面も多く、
    かなり興奮や恐怖するところもあって、
    読むのに、ついつい声を変えてみたり、手を動かしたり、工夫してしまいます。
    ちなみにあの世は会話の中にしか出てこないのです。
    腕の、いえ声の見せどころですね。
    会話の長さや断末魔のような声など、読むのに難しいところはありますが、
    読む進めるほどにその感情が自分にうつりこんで、世界に入り込めます。
    悲しさ嬉しさの上がり下がりがたくさん、
    読み切れば、青空の下の晴れやかな終わりが待っていて、
    マラソンを走り切ったような爽快さです。

    私は本当は怖い話が総じて苦手で、
    手首だけとか地獄が出てくる、このお話は気味が悪い部類なんです。
    でも不思議とあたたかい気持ちに。
    ニコニコと松吉とともに仕事に行くテの助を見て、
    うんうん!良かったな〜としみじみ思いました。
    子どもは時折ゲラゲラと笑っていましたが、
    最後に感想を聞いたら
    へんてこりんなお話だねー、だって!
    頑張って読んだのに、それだけ!?でしたが、
    「孝行」の意味も知らない子、仕方ないか。

    死んでもなお、それぞれがお互いを想いつづけたから
    起こった20年目の奇跡。
    大島さんの伸びやかな絵に心ほぐされながら、
    テの助たちのような強い絆を持つ家族に
    自分たち親子もなれたらなと思いました。
    子どもにもいつかこの家族の想い、伝わる日が来るでしょうか。
    読み手と聞き手、親子ともに精進が必要なようですね。

    投稿日:2015/07/23

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