図書館で借りて読み、その宇宙のような広い世界観に感動して、買い求めて蔵書にしたいと思いました。力のある作家は全て読み進めるのが途中で惜しくなる作品を書きます。ロダーリというイタリア最高峰の書き手に死ぬまでに出会えて良かった。戦後10数年の物語だから、主人公は物的に貧しい設定ですが、現代の心的貧しさに救いを求めている子どもたちにも充分満足のいく内容です。人間は心を揺さぶられて動く生き物で、子どもの純粋な信じる事へ裏切らない作者の人としての器の大きさを感じました。結局男の子は、当初欲しかったおもちゃは、手に入れられません。が、それとは違うこの子にとって必要なものが与えられるところが良い。魔法やおもちゃ、人間が絡み合うのに読んでいて違和感を感じさせないし、場面展開も早く飽きさせない。一つ一つの章にも物語がある。もっと日本人に知られても良い本です。色彩豊かな楽しい映像が浮かぶのでジブリ映画になると思います。因みに他作品『パパの電話を待ちながら』の訳はあの内田洋子さんです。