『Read for Me,Mama』が原題。
「for Me」のニュアンスが印象的です。
ジョーゼフはお話が大好きで、学校の図書館で本を読んでもらったり、
本を借りたりします。
司書の人から、難しい本は誰かに読んでもらうといい、と助言されたジョーゼフは、
知り合いの大学生に読んでもらっていたのですが、
都合が悪くなったので、ママに頼むのです。
ところが、ママは「読んであげられないの」と泣き出します。
そう、ママは読み書きができなかったのです。
でも、ママは教会でそのことを話し、そこでの助言から読み書き講座に通うようになるのです。
ジョーゼフの読書好きの様子、ママの努力、そして二人の親子愛。
本を読むことの意味が伝わってきます。
さらに、本文には書かれていませんが、絵が、この二人が黒人であることを
そっと語ります。
なぜママが読み書きできなかったか。
そんなことも考えるきっかけになるといいですね。
でも、このママはとても素敵です。
仕事で忙しくても愛情たっぷりで子どもに接するし、
読み書きができないから、と卑屈にならずに、
他者に助言を求め、努力する姿は立派だと思いました。
内容が重いので、小学生以上くらいからでしょうか。