読後感の非常に微妙な話でした。現代社会の縮図ともいえるのでしょうか? たしかに描いてあることは、弱肉強食だの諸行無常とかそういうことなのかもしれないのですが、それも何となく違うんです。もっとどす黒い感じのなんともいえない嫌〜な感じが残る絵本でした。
ところどころにちりばめられている言葉は、まるで現代社会を風刺しているかのようで、ハっとさせられるのですが、2つだけはっきりと言えることは、まず、この絵本はまったく子供向きではないということです。大人の為に作られたと言ってよいと思います。そして2つ目は、本当に出久根さんの絵はそこはかとなく美しく、とても惹きつけられるということです。そのあまりの美しさが、この話をもっと嫌〜な感じに仕立てていると言っても過言ではないかもしれません。
一度は読んでみるべき本かもしれませんが、小さなお子さんには勧められないので★は2つにしました。考えさせられる本でした。