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星新一ちょっと長めのショートショート(6) ねずみ小僧六世」 夏の雨さんの声

星新一ちょっと長めのショートショート(6) ねずみ小僧六世 作:星 新一
絵:和田 誠
出版社:理論社 理論社の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2006年06月
ISBN:9784652023563
評価スコア 4
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  • 最近の泥棒は手荒いけれど

    『星新一ちょっと長めのショートショート6』(理論社)。
     表題作である「ねずみ小僧六世」をはじめとして、9篇の「ちょっと長めのショートショート」が収められた、児童書。
     装幀・挿絵(それぞれの作品に挿絵がついています)は、和田誠さん。
     『ショートショートセレクション』シリーズの場合、ひとつのお話に一枚の和田誠さんの挿絵でしたが、このシリーズでは2枚あったりして、こちらも「ちょっと多め」。

     表題作の「ねずみ小僧六世」を見て、すぐに思い出すのはモンキー・パンチのコミック「ルパン三世」。青年雑誌に連載が始まったのが1967年というから随分古い。星新一さんがこのコミックのことを知っていたかどうか。
     もちろん、「ルパン」というのはフランスのモーリス・ルブランが書いた小説に登場する怪盗で、その三世が活躍するという設定がなんともいい。
     一方、星新一さんの「ねずみ小僧」は江戸後期に実在した泥棒だが、金持ちから盗みを働き貧乏ものに分け与えたという伝説があって、彼をモチーフにした小説やドラマも数多くつくられている。
     星さんの「ねずみ小僧六世」も盗みの技にかけては天下一品で、しかも盗んだ金を返してしまうという「義賊」ぶり。盗みの手口の鮮やかさとラストのおちが効いている。

     そのほか、未来の人類が古代の神として崇める現代人を風刺した「古代の神々」や人生の転機のたびにどこからか舞い込んで指示を与えてくれる「手紙」といった作品が面白かった。

    投稿日:2024/12/01

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