表紙はカラフルで真ん中に赤ちゃんがちょこんと眠っている絵で、なんとなく購入した絵本でしたが、開いてみると絵が不気味で文章も少し長いので、長年読まず嫌いして本棚に眠っていました。
あるときふと手にとって読んでみると、お話の世界に引き込まれ、ストーリーの美しさに感動しました。読後はしばらく余韻にひたるほど、すてきなお話でした。
天から降ってきた星が落ちたところに眠っていた赤ちゃんを、貧しい木こりが引き取って育てます。その子は美しく成長しますが、自分は星から来た貴い身分だと威張る、性格の悪いこどもに成長します。ある日女乞食がやってきて、星の子を自分の子だと言うのですが、星の子は怒って冷たく突き放します。すると美しい星の子は醜い姿になってしまうのです。これは母親を邪険にした罪だと思った星の子は、世界をめぐってでも母親を探し出そうと旅に出ますが…。その旅を経て星の子は、優しい心をもった人間へと変わっていくのです。
最後はハッピーエンド。星の子の心の成長が胸にじ〜んとくる、とても素敵なお話でした。
作者を見ると、オスカー・ワイルドではありませんか。さすがはオスカー・ワイルド。大満足の一冊です。