表紙カバーの裏に
「これは、よむほんでは ありません。
“まる”で いきているような “まる”を つかって あそぶ “まる”っきり あたらしい あそびの ほんです。」
と書かれていましたが、この文章も谷川俊太郎さんが書かれたのでしょうか? 単語を自由自在に操るそのセンスに本当に感服しました。偉大な詩人ですよね。
なるほど書かれていた通り、読む本ではありませんでした。初めて表紙を見た時は、レオ=レオニの『あおくんときいろちゃん』を思い出しましたが、中身は全然違いました。いやはや、ここまで本が従来の読み方とは違って、注文の多い本は他にはないかもしれません。結構、忙しかったです。そして、おお、次は何をやれって言うんだい? という指示と結果が楽しみでもありました。
巻末で谷川さんが「アプリ」という言葉を使っていますが、まさに本をスマホのゲームのように仕立てた斬新な本だと思います。こんな超アナログのアプリゲームがあってもいいのではないでしょうか?
原題『Un livre!』が語っているように、紙の本が追いやられている時代にまさに斬新かつ挑戦的な作品だと思います。作者エルヴェ・テュレさんと翻訳の谷川さんのそんな思いと遊び心がたくさん伝わってきた本でした。