作者はシム・シメール。
シム・シメールは、宇宙と地球、動物、人間の共存を リアルなタッチで描くアースアートの第1人者として、つとに知られています。
しかも、グリーンピース・WWFなどの環境保護団体に所属しながら創作活動を続けていることから分かるように、宇宙と地球と生命をテーマとし、かけがえのない地球への問いかけを発しています。
物語は、オオカバマダラという蝶が世界を語るという形式をとっています。
オオカバマダラが、アメリカ合衆国北部からメキシコまで4〜5千キロを旅するということにヒントを得、この作品の制作に至ったとありました。
狙いは素晴らしいとは思うものの、事実と異なりアフリカ、北極、南極、アジアまで旅するかのように描くのは、彼の絵が精緻だけに、肯定し難い気がします。
勿論、その精緻な絵は、鮮やかな彩色と相まって見るものを圧倒し、惹き込まれるに違いありません。
ただ、ストーリーとしては、どうなのか?と一寸疑問が残りました。
むしろ、文字の無い絵本とした方が、見るものの心に響くような作品として完成度が高まったのではないでしょうか?
絵を楽しんで欲しい作品としてオススメします。