とても凝ったつくりの本です。人間が古来 地球の形をどう考えていたのかについて、調べてわかった面白さを伝えたい という著者の想いが いっぱい詰まった本だと思いました。
いろんな時代の いろんな地域の人たちが、自分がいる「ここ」がどういうところか知りたい!と熱望してきたことがわかります。それは、自分が今、ここに存在していることを不思議に思う気持ちと繋がっていると思います。
そして、地球の形についての人々の想像力の逞しさ、その想像の多様性、更に、科学の発達には驚くばかりです。
その流れの中で、20世紀に人間が地球の外から地球を眺めたことは、ものすごいことでした。この時代の人々だけでなく、今まで生きてきたすべての人を代表しての宇宙飛行だったのだなぁと思いました。
「地球のかたち」について考えると、今 ここにいることの不思議にも おのずと心が向かいます。まさに、タイトルの通り、「哲学」だと思いました。