1999年刊行。イチゴの栽培方法を中心に、歴史、品種、利用法、植物としての特徴などを紹介した学習絵本。実用書。
田舎に居た時、田んぼのわきにイチゴが植わっていて、毎年5月くらいになると、酸っぱいイチゴがたくさんなっていた。
白砂糖を大量に使って、イチゴのジャムやシロップを作ったりした。そのまま食べると酸っぱいので、牛乳と砂糖をたっぷり入れて、「イチゴ用のスプーン」でつぶしながら食べたことを思い出した。
イチゴは不思議な植物だ。「実」と言っても、実は実ではない部分を食べている。ランナーという茎のようなものを伸ばして、どんどん新天地を開拓して、新しい苗ができていく。
変な形の実も、けっこう良くなっていて、面白がって食べていた。イチゴ農家の知り合いが、出荷用にならない変な形のイチゴを大量に安く売ってくれていたのだが、どうしてそういう形になるのか不思議だった。
長年の疑問が、いくつか解決されたが、新しい疑問も生まれた。大人になってから、改めて、身近な植物のことを調べてみると、楽しい体験が増える。思い出も生き生きとよみがえってくる。
実際に栽培するためにも利用できるように、情報量の多い実用書でもあるが、読み物として楽しんでも素敵なシリーズだ。