絵の雰囲気が洋風っぽくって、いつも翻訳本?と思っていた市川里美さん。
よくよくプロフィールを拝見すると、フランス在住の絵本作家さんで
思わず納得してしまいました。
中でもこの作品は、市川さんの日常生活の中から生まれた作品だそうで、
アトリエのあるフランス・パリの雰囲気がそのまま伝わってきます。
おもちゃ箱から出てきた木の飛行機コスモスは、犬のぬいぐるみのウォギーと、
いつもながめている白いドーム(サクレクール寺院)まで、空の旅へ出発です。
ウォギーを乗せて飛行するコスモスをとらえたアングルが素敵で、
飛行の臨場感たっぷり。
そこここのパリの街の様子もよくわかります。
雨雲に巻き込まれたり、少しスリリングな場面もありますが、
それだけに、雨上がりの光景は絶品ですね。
白いドームから見る町並みにひときわ目立って建つのはエッフェル塔でしょうか。
実はコスモスもウォギーも、作者のコレクションで実在するそう。
もちろん、登場するおもちゃやぬいぐるみも。
だからでしょうか、とてもびっくりするほどリアリティがあるのですね。
フランス好きの大人にとっても魅力的だと思います。