自動車大好きな息子のために選びました。
シャツいちでくつろいでいた消防団員、飾り気のない犬小屋につながれている柴犬、農具を片手に心配そうに山火事を見つめる村の人々の様子…。私にさえ遠い記憶の中にある、なつかしい昭和の田舎の風景ですが、2009年に発行された本と知ってびっくりしました。
消防団員が山火事を消す様子が、臨場感たっぷりに、しかし淡々と描かれています。その中で、山の動物たちと同じように、というより、山の動物より人間に近い存在として自然に描かれているかっぱが印象的です。このかっぱたち、消火活動の手伝いまでしているのですが、それを不思議とは、誰も感じていないところが、とても面白いです。ひょっとしてごく最近まで、かっぱは人間と共存していたのかもしれない、と錯覚してしまいます。
4歳の息子にとっては、「消防車、すごいね!!」という楽しみ方でしたが、私にとってはノンフィクションのような消防活動と、かっぱの存在、というマッチングがとても面白く感じました。