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ぷっくり ぽっこり

ぷっくり ぽっこり(偕成社)

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よめたよ、リトル先生」 ジュンイチさんの声

よめたよ、リトル先生 作:ダグラス・ウッド
絵:ジム・バーク
訳:品川 裕香
出版社:岩崎書店 岩崎書店の特集ページがあります!
税込価格:\1,760
発行日:2010年07月
ISBN:9784265068272
評価スコア 4.71
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みんなの声 総数 13
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  • 考えさせられる絵本

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    著書あとがきにこうあります。
    「私は子供のころからADHD(注意欠陥多動性障害)でした。
    もちろん今もそうです。
    ADHDはすぐに気が散り、忘れっぽく、ものごとに集中するのも苦手です。
    読むことも学ぶのも苦手なのですが、それはそんなことが背景にあるからだと思います。
    なにしろ、じっと座っていることややるべきことをすることさえ、むずかしいのですから」

    この作品は、本人の自叙伝です。
    ADHDとは、Attention Deficit Hyperactivity Disorderの略称で、自らのその障害を持っていることを告白し、小学生の頃の先生との出会いを記録したものです。
    絵本ナビのランキングで、常に上位に位置する「ありがとう、フォルカー先生」は、LD(learning disabilities:学習障害)を取り上げた作品でしたが、背景、ストーリーとも似通った点の多いものでした。

    ダグラスが小学校2年のときの、ダグラスとリトル先生のやり取りから物語は始まります。
    「ダグラス、もう一回やってみて」
    ダグラスは、なかなか本が読めないのです。
    放課後、二人だけで、本を読むことに取り組みます。
    遅々として進まないのですが、リトル先生は、「ことばをひともじずつ、声にだしてよんで」「ゆっくりやって」とだけ言って、根気強く一緒になって頑張るのです。
    その本は、TheLittleIsland。
    言わずとしれたゴールデン・マクドナルド(マーガレット・ワイズ・ブラウン)とレナード・ワイスガードの黄金コンビによる1947年のコールデコット賞受賞です。
    ダウラスは、毎年家族で夏に訪れた島に、その面影を見出し、本にのめり込んで行くのです。
    そして、ある日読み終えることができたとき、リトル先生はダグラスを抱きしめてくれるのです。
    「先生、あしたほかの本をよんでもいい?」
    「もちろんよ!」
    心の琴線に触れる最高の会話です。
    ダグラスにとって、その本との邂逅が、彼の人生を決めたと言っても過言ではありません。
    それから、物語は、エンディングに一足飛び。
    ダグラスが、何年か後に、リトル先生に自身が執筆した本を贈り、白髪になったリトル先生が、その本を抱きしめているシーンで、物語は終わります。

    二人のやり取りが克明に描かれているのが、この絵本の魅力です。
    ただ、「ありがとう、フォルカー先生」に比べると、起承転結の起伏がそれほど無いため、感動の度合いが落ちるかも知れません。
    それでも、小学校高学年くらいになったら、是非読ませたい絵本であることに違いはなく、大人にも読んで欲しいと思います。
    また、世の先生方にもオススメしたい絵本です。
    本の素晴らしさを再認識させられた逸品です。

    投稿日:2011/04/16

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