野球のお話なのかなぁ、と思って手に取ったのですが、ちょっと違いました。
些細な事で友達とけんかをしてしまったヘンリー。
「文句があるんだったら口で言いなさい」と言うママやオリバーへの仕返しをあれこれ考えるところなど、親子共に「そうそう」と身近に感じながら読み進めていきました。
ヘンリーのおじいちゃんは大の野球ファンです。マリナーズのイチローの活躍を眺めながら、ヘンリーにけんかの話を始めます。
日本とアメリカの。え!それはまた大きなけんかの話だと驚いたのですが…
60年前には絶対仲直りは出来ないと思っていた日本。
国歌斉唱を高らかに歌うおじいちゃん。
そのおじいちゃんがイチローや佐々木などの日本の選手を応援する心の動きを、淡々と話します。
アメリカと日本の友好は貿易など利益優先かも知れないけど、一人ひとりの人間には心の傷を癒す長い時間が必要だっただろうと思われます。そして「ゆるす」勇気をもてたんだと。
イチローや松井の活躍ぶりや、アメリカでの人気を見ていると、共に笑い合える事のすばらしさを感じます。
ヘンリーが、おじいちゃんの話を聞いて勇気が持てた様に、この本を読むと、「許す」勇気が貰えると思います。
我が家の小2の娘には少し難しかったようです。高学年向きかな。