与える木とすべて持っていってしまう男の子。最後に木は何もなくなってしまうのですが、年老いた男の子は木のもとに帰ってくるのです。
もし途中で、木が「いい加減にしなさい」、といって男の子の願いを無視したら…。男の子は木のものに帰ってきただろうか、木は「あのとき与えていれば…」と後悔しただろうか、などなど、考えてしまいます。
今はモノがあふれていて、お金を出しさえすれば子どもの欲しいものは何でも買ってあげられます。自分の物欲は押さえないで、子どもが欲しいというものをどこまで我慢させるか、自分でも矛盾しているな、と反省しきり。
誰が悪くて誰が正しいのか、と白黒つかないところがまた心に残る本なのです。