ごくありふれた日常の中で手にするもの、見るもの、感じるものの中に存在する、たいせつなことを実感することができたら、心のなかの慾とか、羨望とか、栄光とか・・・そういうものがとてもちっぽけで、カラカラに乾燥したものに感じてしまうような、とても素直な気持ちになれる作品です。
言葉のリズムもとても素敵で、何度も何度も声に出して読んでみたくなります。最後のページの「あなたはあなた」は特に気に入っています。障がいをもった方の施設でこの本を読んだ時、涙ぐまれている方がいました。素直なこころに染み透るような作品だと思います。