ティラノサウルスシリーズ第9作目。
ティラノサウルスが見つけた卵から孵ったアンキロサウルスの赤ちゃん。
五匹の赤ちゃんたちは、ティラノサウルスを親と認識し、懐きます。
ティラノサウルスは戸惑いながらも、父性を自覚するのです。
後半は、そんな生活の中、赤ちゃんの一匹が「一番愛されているのはぼく」と
主張するところから緊迫感が走ります。
兄弟のいる親子なら、とても共感できる光景です。
そして、兄弟げんかの様相にも。
でも、誤解が解けたきっかけになる、ティラノサウルスの言葉が珠玉ですね。
ラストはどう解釈したらいいのでしょう。
赤ちゃんたちの命名にもメッセージが。
これは見事です。
このシリーズは子どもたちもよく知っているようで、
小学校のおはなし会でも興味を持ってもらえました。
おはなし会に参加していなくても、近くで耳を傾けている気配の高学年男子たちの姿が印象的でした。